目指すは『メディア伝説』
浜松発 世界の最新ネット事情
(有)ジャパン・ビジネス・ニュース
代表取締役
井指 賢


井指 賢  Masaru Isashi
浜松市出身。
昭和41年10月23日生まれ(33歳)。浜松市在住。

平成8年、電子メールを利用したビジネス情報の配信サービス「ジャパン・ビジネス・ニュース」をスタート。以降、インターネットビジネスを主としたコンサルティング業務を手がけると共に執筆活動を行う。主な著書に『電子商店繁盛記−インターネットでお店を開こう!』(日経BP社)、『SOHO独立開業ビジネスの素』(クラブハウス)などがある。

 

 「インターネットビジネスの基本は ”ノーリスク&ハイリターン“。常に黒 字ベースでの運営を心掛けることが成功への秘訣です」と井指代表。

1996年、ジャパン・ビジネス・ニュース(以下Jニュース)がホームページを開設し、無料登録制のメールマガジンを開始した。「日本のインターネット元年」といわれているのが1995年だから、インターネット利用者だけではなくパソコンユーザー自体がまだまだ少数派。そんな当時、メールによる情報配信という発想はユニークかつ画期的なものだった。

  Jニュース代表・井指賢氏の経歴というのがこれまたユニーク。銀行員から24歳で独立後、学習支援ソフトの代理店販売、FAXを使った添削学習サービスなど、いわゆる ”教育畑“のフリーランサーに。少子化が叫ばれる中で、「何か新しいことを始めなくては…」と選んだ活路がインターネットでの情報配信だったという。

  スタート当初の主なテーマは『独立開業のためのノウハウ』。利用者が求めている情報は何か?を追求した結果だった。「とはいっても、私自身が経験してきた ”苦労話“なんですよ(笑)。意外かもしれませんが、登録者数は最初の1カ月間で100人を超える勢い。サービス開始直後に手ごたえを感じることができました」。それから約一年後には会員登録を有料化。多くのメールマガジンが乱立する中で順調に登録者数を伸ばし、今ではビジネスの最新情報源として上場企業の企画担当者の間でさえポピュラーな存在となった。

   ビジネスモデルの全体像を捉えた上で切り口を絞る―これが、アナリストとしての井指氏が用いる分析手法。サービスの開始から約四年、記事のテーマはネットビジネスの事例紹介やそれらについての独自分析など、インターネットの世界へと特化している。「単なるビジネス情報からネットビジネスの最新事情へと利用者側の興味が変化したんです。しかし、たとえテーマが変わっても、Jニュースのキーワードはあくまでも『情報』。利用者が求めている良質な情報の提供です」。


『地域発』もメリットに


 日々めまぐるしく変化し続けるインターネットの世界を浜松という一地方にいながらにしてリードし続けることは至難のワザだ。果たして、浜松からの情報発信にメリットはあるのだろうか。その点について井指氏は、「大都市圏にある企業と浜松のような地方都市の企業を比較した時、インターネットに対する考え方の差は計り知れません。ですから、ビジネスという観点で言えば、 ”地域発“は難しいでしょうね。ただ、情報発信という点では周囲に踊らされないというメリットがあります。結局、モノは考えようなんですが…」と語る。

 「メールを開くとき、一日一度は心がときめくような出会いがあります。一部上場企業からコンサルタントの依頼があった時などはやはり嬉しい。ヤッター!ってなもんですよ」と井指氏。将来の夢については、「Jニュースを伝説的なメディアに成長させたいですね。もっといえば、生きている間に株式を公開したい」。一見クールなビジネスアナリスト=イサシ・マサルの素顔は、目的達成意欲に燃える若きネットベンチャーの象徴そのものだった。

『JNEWS.com』 http://www.jnews.com/