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President/経営者の横顔
ニチエー吉田株式会社社長 吉田 晃氏

 教員になるべく静岡第2師範学校に入学。教員は婿入 りが普通というご時世、「養子では一生頭が上がらな いから(笑)」 と、26歳の時にニチエー吉田株式会社を設立した。 ホンダが町工場でポンポンを作っていた頃、未だ物資 の乏しい時代に青春時代を過ごした吉田社長。 当時の苦労を問えば、「就職もままならず、金はもち ろん、ビジネス経験もない。言うなれば天涯孤独の人 間が“食うために何をしたらよいか”を毎日考えてい た」。

 会社を設立してからも、生きるための活路を見出そうと、日曜、祭日など関係なく 一目散に働き続けてきたという。 「強いて言えば、その頃が私にとって一番の“良き時代”であったのかもしれない」。 溢れる独創性と開発への弛まぬ努力によって、数々の困難を克服。これまでに開発 した特許技術への評価はいずれも高く、建設業界における標準的な工法として多大 なる実績を残してきた。「いまだ世の中に存在していない技術の研究開発を通して、 僅かではあるが建設業界に貢献できているのでは…」。 建設という、ある種成熟した枠中にありながら、技術開発型の企業として過去にと らわれることなく変化を続けている同社の原動力はここにあるといえよう。
 
「今後も工法(技術)と新材料の開発によって、工事のスピード化、コストの低減と 煩累した職人芸の汎用化に努めていく。そして、アウトソーシングの採用、完成度 の高い技術を背景に数々の特許取得によって新時代の先駆的役割を果たしていきた い」と語る同社長。 ベンチャー時代の若き創業者たちが必要とする要素、“無形を有形にする発想力と アイデアを現実にするパワー”。それらを自身の経験からごく自然に身につけてき た、いわば経験工学型のベンチャー経営者といえよう